本屋さんで思ったこと――3.11以降のコトバ

昨日、思い立って、地元の書店に行った。

目的は一つ。

今の世の中の人の、興味を知るため。

すると、明確に見えてきたものがあった。

「原発」「被災」「地震」「放射能」「電力問題」。

新書でも、ハードカバーの書籍でも、平積みのものの半分はこの内容だし、

雑誌も、週刊誌も、月刊誌も、見出しのほとんどがこれだ。

ほかの小説、生活雑誌、ファッション、趣味、旅のジャンルは置いておいたとして。



正直、社会情勢や政治など、いろいろ関心はあり、自分の考えもあるものの、

敢えて、今までは、真向いに立たなかった。

受けてきた教育の影響で、政治的な思考回路がやたら強かったのもあり、

「右」と「左」に分かれ、何かと語り合う構図自体に、すでに嫌気がさしていた。

ふりかえれば、我が家は、親戚も含め、日曜の朝は必ず「日曜討論」をつけ、

テレビの前の食卓で、政治家に野次を言いまくるという…そんな家だった。

それじゃ問題は解決しない、という気持ちが強かった。

十分、考えてきた気持ちがあった。


でも、一から勉強しなおすつもりで、

てっとり早く、月刊誌と、新書コーナーに行ったのだ。

そして、もう一つ、面白いことに気付く。

昨年までに出版された本が、すでに読めない内容になっている、この現実。

たとえば、リーマンショックとか、世界的な経済破たんを論じた新書が、すごく新しいようで、

3.11のあとでは、すでにもう古い。

この現状に追いついていない。

平積みになっている新書が、ほとんど「放射能」「原発」の話だというのも、

考えてみれば、すごいことだと、しみじみ思っていた。

ものすごく売れているんだろうね。

いま、人が興味を持っていることが、これなのだ。

そして売れるから、たくさん、その手の本が出て、買う人たちがいる。

そんな意味で、情報があふれている。

売れるから、出す。出したら、それを「本当」だと受け止める人もいる。

なにが「本当」だか、難しくなり、錯綜していく。

注意深く、情報を選ぶ必要もある。



考えさせられることは、とても多かった。

国としても、社会としても、個人単位でも、さまざまな変化の必要に直面しているのだろう。

3.11以降、

これからのシュミレーションが、これまでの方法では、まるきりできなくなってる。

語る言葉、主張する言葉、呼びかける言葉、

フィクションでもノンフィクションでも、

たぶん、全然、現実に追いついていない。



これからは、まったく新しい何かが必要とされる。

まるきり新しい何かが、求められている。

そんな気がした。

それが何か、まだ、わたしにはよくわからないけれども。

3.11以降の「いま」にフィットする何かが、

生まれ始めている気配は、無かった。

本に関しては。




そんなふしぎな感触を握りしめながら、

今日もわたしは、いま、わたしが生かせるコトバに向かっていたのでした。

草花の一枝を枕元に置いて、それを正直に写生して居ると、
造化の秘密が段々分かつて来るやうな気がする。

                       正岡子規『病床六尺』

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No title

こんばんは~
集団生活をしてると、良い意味でも、悪い意味でも人が人によって影響されていく様子がよくわかります。しっかり芯をもったひともいるけど、とくに女子はすぐ共感しやすいなーとおもう。人と同じような行動、考え方をしてる。自分は損をしないようにとか。
そのわりにほんのささいなことでも情報のソースが何処か妙に気にする人がいたりもして、なんだか違和感を感じることもあったよ。
目立たない人の発した、はっとする一言が心にひびいたら、それでもいいのにね。

みんなよく考えようや!感じようや!と思うのでした。
  • |2011.09.20(Tue)
  • |naoko
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自分軸ですね!

naokoさんの言葉に「なるほどな~」と思うわたしです。

情報に踊らされたり、変に共感しすぎて、自分を見失いがちな人もいますよね。

自分で考えたり、自分で感じることをみつめるのが大切なのに、
たぶん、そんな風に自分を振り返ることすら、ないのかもしれない。

集団行動のむずかしさを、わたしも最近感じているところです。

相手や場所によって「重いな~」「なんかちがう~」と感じる時があったり(^_^;)。

でも、同じ場所にいざるをえない場合もあるし。

それぞれの人がしたいようにするのを認めつつ、自分もしたいようにする。

そのバランス・距離感のお勉強なのだと思って、とりあえず観察中です(笑)。

…でも、naokoさんのコメントで、ひさしぶりにしっかりと自分軸のある人に触れた気がして、
ちょっと励まされましたv-290。ありがとうv-351
  • |2011.09.21(Wed)
  • |蕗乃
  • |URL
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