北海道旅行 一日目 ① 二風谷

11月24日 一日目。

事前に調べてみたら、アイヌコタンは、北海道の各地にあるようだった。

最初に気になったのは、阿寒のコタン。
北方民族博物館が網走にあるし、気になった。

でも、道東はすでに雪の季節で、シーズンオフ。
休館・休業期間に入っているところも多いようだった。

いくつかの候補地の中から、今回は道南中心に周ることにした。

そして、まず最初に選んだのが、二風谷。
読み仮名は「ニブタニ」と読む。
単純に素敵な名前だなと思い、惹かれた。

なにかと用心深い母は、
新千歳空港付近のレンタカー屋の人に、
「ニブヤへはどのくらい時間かかります?雪は積もってるかしら?」なぞと、聴いていた。

「ああ、あそこは山の中のうんと田舎だから。わからない、わからない」
と、そっけない答え。

あきらめて「まあ、行ってみよう」と、
レンタカーに、防寒着でパンパンに重くなったケースを積んでいたら、
空港からレンタカー屋まで連れてきてくれた運転手さんが、
一緒に荷物を積んでくれた。

「どこまで行くの?」
「二風谷ってところです」

おじさんの目がキラキラした。

「ああ、あそこ。わたしの妹夫婦もそこに住んでいるんですよ」
「へえ!そうですか。じゃあじっくり見てきます」

六十代後半から七十代くらいの、白髪交じりの細身のおじさんは、
道のりを簡単に教えてくれた。

出身地が一緒だったり、知り合いの住む土地へ行くとなると、
まるで知り合いに会ったみたいに、妙に親しみがわいてくる。

道には雪も全然積もっておらず、
笑えるくらいに、快適に車をとばし、順調に平取・二風谷付近へたどり着いた。

二風谷で、一番最初に見たのは、沙流川。

sarugawa
奥にひかえる山に、夕日がさして、淡く浮かび上がっていた。
左右の森、幅の広い川が滔々と流れる曲線。
あたりは人の姿もなくて、静か。
ちょっと神秘的だった。

sarugawa2
沙流川は、二風谷のアイヌの人の聖地であり、
いろんな伝説が残っていると聴いていた。
この川の前に立つと、なるほどと納得するような、美しいたたずまいだった。


そして、二風谷へ訪れる一つのきっかけでもあった、
「萱野茂 二風谷アイヌ文化資料館」へ向かった。

少々予定より早く到着した、わたしたち。

やはりシーズンオフということもあり、
冷たい木枯らしがびゅーっと吹いていくと、ちょっと心細い。

事前に電話し、15時に開館してもらうアポイトメントをとったものの、
シャッターのしまった入口には、閉館期間との張り紙が貼ってあり、
広い敷地には、人の気配が全くない。

kayano2
kayano

・・・ちょっと不安。
誰も来なくて、忘れられていたら、どうしよう。

でも、ハワイ島ツアーでもそうだったように、
「流れに任せる」感覚を思い出し、
「ま、そのときはそのとき」と、
敷地内にある建物などをぶらぶら見学することにした。

かやぶきのチセが、何棟か建っていた。

枯葉がつもった大地、木枯らしのなかでみるチセは、かなりの存在感。

cise
あとで気づいたけれど、
わたしのチセ初体験は、この瞬間だったわけだ。

この瞬間が、じつは、かなり大きかった気がする。

町立博物館の立派できれいな、復元されたチセでもなく、
白老コタンの、観光地化されたチセでもなく。

このチセだったのが、よかった。

cise3
cise2

気になるのだけど、中は薄暗くて、なんだかこわい。

入ろうとするんだけど、こわくて、入れない。

でも、これだと思ったチセに、
意を決して、入ってみた。

cise4

炉が大事だってことは、なぜか、妙にわたしも思った。
雑然としたチセの中、
炉の砂だけが、しろく浮かび上がっていた。

そして思わず、見上げたのが、天井の梁。

cise6

アイヌの民話のなかには、
体から抜け出て、梁の上から、下の家族や人々を見る話がいくつもあるそうだ。

つまり、魂になって、梁の上からみていたってこと。

アイヌの人たちは、
物や動物、自然、人間にも魂があって、
肉体から抜け出たり、
肉体が死んでも、
別の世界(神々の世界や死者の世界)に行くと信じられていたそうだ。

「魂」のとらえ方は、
アイヌの人たちには、ごく自然のことであり、重要なことなんだなと、
旅をしてみて、あらためて感じた。

チセから出て、
ボーっとあたりを眺めていたら、風がゴウゴウっと吹いた。

ainu sky

地面から、空に吹き上げていくような風。

カバンから、用意していたバラの花びらを取り出し、
枯葉のつもった地面に置いてみた。

古い昔から、この土地に住んできた人たちや、
この土地の自然や、神聖なものに対して、捧げる気持ちだった。

なんとも言えない気持ち。

こどもだましみたいだけど、
わたしにできる、精一杯の敬意の示し方。

「寒いし、もう、そろそろ諦めたほうがいいかな~」
なんて思っていたら、
車の音。

一台の車が、資料館の建物に横付けした。
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No title

アイヌにいかれたのですね!すごいなあ。
私は先週に愛知県犬山市のリトルワールドでアイヌの家にいきましたよ。写真と全く同じです!
  • |2011.12.03(Sat)
  • |naoko
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代替画像

愛知にもチセッ!

おお、naokoさん、コメントありがと~v-345

アイヌの人の家(チセッ)が、愛知県犬山市にもあったんですね!
そんな身近でみられるなんて、すごいな~。
わたしは北海道でやっとこ、初めて見ました(笑)。

独特の建物だけど、萱ぶきがちょっと懐かしいような感じですよね。
中は、けっこー広い一間で。
寒くなかったのかな~って思うけど、
あれで下手するとナン百年~千年前から暮らしていた可能性もあり、
想像より寒くないのかもしれないですね。

アイヌのコタンも、場所によるのかもしれないけど、
土地によって、空気がちがうな~って思いましたよ。

二風谷は、村人口の6000人中、2000人がアイヌ民族の方とのことで、
空気が、生きている感じが、なんとなくしました。
もちろん、みなさん、もう現代的な生活をなさっているのですが、
白老のような観光地化されたものではなくて、
まだアイヌの方の意識や意志、連続性が残っている感じがしましたよ。

いろいろ感じ、考えさせられる旅でした。

また続きを書くので、お楽しみに~v-290v-344
  • |2011.12.04(Sun)
  • |蕗乃
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