サバイバー

「事件は現場で起こってるんだ」って台詞が、一時期、はやった。

「ばっかみたい」って思ってた。

でも、初めて、「現場」というものを目の当たりしている。

机上の理論で、偉い学者さんが主張している理想ではなくて、

有象無象の、市民のレベル。



世の中のみんなが、人権や、尊厳や、平等が必要だと思ったから、

作られているはずの組織も、

ものすごい逆風にあったりしている。

それは、「ふつう」の市民の人たちのなかに、

いかに差別や不平等、暴力的な意識が潜在しているかということだ。


「自分は被害者だ」と主張している人が、

じつは、自分の加害性に気づいていなかったり、

「自分は平等の権利を尊重する」と言っている人が、

もっとも不平等な権威主義の差別主義者だったり。


「平等」を看板に掲げた、こんなところでさえ、こうなのだから、

なにもない、会社や、地域や、集団じゃ、

どれほど、潜在的な差別や暴力がまかり通っているんだろう。

バリバリ、目に見えない差別や暴力は、いまだあると思う。


実際、

わたしも決して安全な、抗菌ルームで育ってきたわけじゃないし、

アカデミックでラディカルな場所であるのが当然のはずの、

大学、大学院にいて、

男性主義的、権威主義的な人々から、

長年、圧力や差別を受けてきたから、

世の中、決して、おきれいじゃないことは、よくわかっている。


だからかもしれないが、

現場を知ることで、

わたしは幻滅したり、失望したりは、全然ないのだな~。

「ああ、人間そんなもんだろう」と。

よほど、「できた人」じゃないかぎり、

所詮、大多数は、個人に戻れば、そんなレベルなんだと思う。

こちとら、

お恥ずかしながら大学生なら、あちらが幼稚園児くらいなのだ。

いやいや、冗談じゃなく、本当に、そうなのだ。




ガン治療が成功し、余命が延びた人のことを、「ガンサバイバー」という。

DV被害の経験のある人も、「DVサバイバー」と呼ばれたりする。

世の中には、日の目に出ないだけで、実は、いっぱい「サバイバー」がいる。

今日は、そんな風に思った。


意地悪に足を引っ張る人や、世間の逆風はあるだろうけど、

そういうレベル低い人たちは勝手にやらせといて、

光の仕事をコツコツやっていれば、

いつか闇がしぜんと霧散する日がくると、わたしは知っている。

だから、負けないでほしいと思う。

わたしも負けない。

負けるわけがない。

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