光と風と水と。

ARTICLE PAGE

横須賀美術館・「正岡子規と美術」展――本物にふれる喜び

author photo

ByMari

昨日は、『横須賀美術館』へ。

一昨日の夜、手帳を整理していたら、「正岡子規と美術」展のしおりを発見。
まだまだ先だと思っていた期日が、よくみたら、4月15日まで!!。

今週の予定を考えると、今日行くっきゃないみたいな感じになり、
両親の車を借りて、ひとりで横須賀へドライブ。

鎌倉・逗子まわりで向かったので、けっこうなドライブになったけど、
どこもかしこも、桜と海、山が、きれいで、
春のお花見ドライブとなりました。

ちょっとドキドキしていたけど、ちゃんと、横須賀・観音崎周辺に到着。

美術館もすぐ見つけられたので、とりあえず車を駐車し、
持参したお弁当を、浜沿いの遊歩道で、食す。

そこ一帯は観光名所なのか、リゾート風の木道も整備され、なかなかきれいで、
棕櫚の木が植わっていたり、ちょっと南国ビーチっぽかった。
benti
mokudo

岩場で、潮干狩りならぬ、なにかを採っているおじさんおばさんがぞろぞろいたり、
花見がてら、海沿いを散歩する人も。

あまりに海がきれいだったから、わたしも岩場に降りてみた。

iwaba
赤い藻が、青い海と空とあいまって、あざやか。

波がうねっていて、いつになく海がもりあがってみえた。

潮の満ち引きの関係かな?満月のあとだからかな?

気持ちよさそうに、たっぷりたっぷり海水が、
押しては引き、もんでもんで、渦をまく、波を見ながら、
海ってふしぎだな~と思った。

沖縄の海を見てきたばかりだったけど、
海水も透明度が高いし、相模の海もいいよな~と思いつつ。

それにしても、なぜこの横須賀の地で、正岡子規?!というのが、
わたしの疑問。

でも、すでにこの海の散策から、
正岡子規展が、わたし的には始まっていた。

美術館へ直行し、ただ目的の展示物を、部屋にこもってみるのではなくて。

旅する気分で、回り道しながら散策し、
自然風物を感じる心、手に取ってみる遊び心、
その土地のゆわれに思いをはせる心。

そういう風情や情緒も、子規の感性や趣味だから。

松山も、四国だから、海は近いのかしら?
…なぞと思いつつ、いざ、美術館へ。

bijyutukan

美術館の展示の感想は…「行ってよかった!!」。

一番よかったのは、かの有名な、
子規肉筆の「あずま菊」の掛け軸を生でみられたこと。

これは漱石宛てに、子規が書いた肉筆の絵で、よく引用されるし、
わたしも論文に引用した。

掛け軸には、ほかに、熊本で教員をしていた漱石に送った漢詩の手紙と、
ロンドンにいた漱石へあてた書簡も、一緒に装丁されていた。

この書簡の実物を見られたのも、かなり感動。
これもとても有名で、書簡文学の名作と呼ばれたりする。

肉筆をじーっとみていると、
漢詩や歌、俳句を書くときと、書簡のときと、
ひらがな、漢字、カナと、
筆者の息づかいのちがいが感じられた。

書簡の筆は、ほんとうに感情がこもっていた。
ふるえるように、力の強弱も、リズムもまちまちで、
でも、それがその時の子規の息づかいを伝えている。

『病床六尺』に登場する、辞世の句を書きつけた、子規の塑像も展示されていた。
これにも興奮。念入りに観察。

子規自作の像(粘土)と、香取秀真作の、二点があった。

書画もいいけど、
子規が自分の手でぺたぺた作ったものだとおもうと、おもしろい。

手からエネルギーが出ているっていうし、
子規の手のエネルギーのかたまりみたいに思えてくる。

像の目と、目を合わせると、ふしぎな気分。

香取秀真が作った子規像には、直接筆でいろいろ注文が書きこまれていた。
「ここがちがう」「ここはこう」みたいに。
思わず、笑ってしまった。

正直で、お茶目なひとなんだよな~。

子規と同時代の、西洋画や日本画も展示され、
研究としても、かなりインスピレーションをもらった。

なんでもそうだけど、百聞は一見にしかず。
ただ文章を読むだけでなく、
実物を眺めると、気づかされることが多く、ポイントが高い。
「松山にも行かなくちゃ!」って思った。


横須賀美術館は、周辺の自然の景色との調和も計算されていて、
じつに現代的でおしゃれな建物だった。

美術館から去るときのエントランスからみえる景色は、
目の前の海が、まるで一つの壁画のように、丸い窓に縁どられている。

随所にそんなデザインが感じられて、とてもモダン。

美術館全体の、テーマカラーも、コバルトブルー。
つまり、横須賀の海をイメージしているわけだ。

こういうデザインも、一見すると子規とかけ離れてる。

でも、帰り際にふと気づいた。

いつだって、最先端の斬新なものを取り入れたのも、また子規だったなと。
こんなおしゃれで現代的な建物で、自分の作品が飾られるのも、
誇らしげに、面白がるかもしれない。


帰り道に、走水を通るので、
先日いつか訪れた、走水神社にも再訪問。

桜が咲き乱れ、海は晴れ渡り、温かい風の心地よい走水神社でした。
sakuraumi
jinjya2
また訪れると思っていなかったから、ちょっと驚きつつ。
このご縁に感謝。

桜のうすももいろと、海と空のブルーとが、最高にピースフル。
平和、愛、祝福。

jinjya1

沖縄から戻ったら、今まで行ったことない土地へ行ったり、
ひとりで横須賀に行ったり、「どんだけ動くのか?!」と、我ながらふしぎ。

でも、移動することが、今のわたしには必要なのかも。

動き続けると、
次の瞬間にはもう、
昨日のわたし、数分前のわたしすら、「過去」の残像になっている。

一つ場所にとどまらない。軽やかに流れていく。
そういう練習なのかな。
関連記事
Share

Comments 0

Leave a reply