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映画『すーちゃん まいちゃん さわこさん』

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日曜の朝、
映画を見ながら、朝ごはん。

最近、テレビ番組の受け付けない度が、ますます高まっている。

ひさしぶりに映画をつけながら過ごしてみて、
やっぱり、つけてる映像によっても、空気が違ってくるのがわかった。

映画も、同じ映像メディアだけど、
よりクリエイティブな意識で、世界観が作られていたりするから、
まだポジティブなエネルギーな気がする。

その世界観に合うか、合わないかもあるけどね。


今朝見たのは、
偶然、番組表でみつけて、録画しておいた、映画『すーちゃん まいちゃん さわこさん』。

そこらへんにいそうな、
「ふつう」の女性たちの、日常のドラマ。

微妙に職業や立場、年齢、環境がちがう三人がおりなす、
それぞれのドラマ。

わたしは原作である、益田ミリの漫画シリーズも愛読していたので、
大体設定は知っていた。

映画で実写版になると、こんなんだな~と思いながら、見ていた。
ときどき、
「ああ、映画だと、あの漫画絵の微妙な空気、間合いが、
切ないような、とぼけてるような感じを出すのむずかしいなあ」
と思いつつ。

でも、映画は映画で良かった~。

さいごのさいご、なにげに涙が出てしまった。

みんなそれぞれの立場で、
じぶんの感覚で、せいいっぱい生きている。

「がんばって生きてる」
って力みはない人物たちばかりだけど、
主張しないだけであって、
その人の感覚、ポリシー、譲れないことはきちんとある。

演じてる女優さんたちは、個性ありの美人さんばかり(柴崎コウ、真木よう子、寺島しのぶ)。

それでいて、登場人物たちはみな、地味な、
昔ながらの倫理がなにげに身についているタイプの女性って感じで。



一方で、ちっちゃい微妙な差異で、
ちっちゃくズルして、ごまかして生きたり、
ちっちゃく八つ当たりしたり、
我がまましたりして、
生きていける人物も登場してくる。

彼らも彼らで、
また、極悪人ってわけでもなく、
どこにでもいるレベルの、「ああ、こういうタイプいるよね~」って感じの隣人。

その、どこでもいる感じが、また、よく描けているのが、この世界なんだよなあ。

最近、極悪人や、サイコみたいな人が、
現実でも、たくさん、世間をにぎわしているので(!)、
こういう、どこでもいるレベルの、ずるっこさんが、目立たない気もする。

そんなずるっ子さんたちの、
人間らしい弱さやずるさも、
糾弾するわけでもなく、
うすぼんやりした視線で描いているのが、またリアルなのかも。

なんつーか、
「しかたないよね、人間だから。
でも、わたしは、そんなこと、しないな~」
って感じの描かれ方。

同じ世界で、同じ目線にはいるけど、
オブラードのような、柔らかく透明な膜で、分けられている。



そんな人物と遭遇しながらも、
主人公の彼女たちは彼女たちで、「じぶん」を生きようとしている。

ひとり迷ったり、
ちっちゃく妥協したり、
ささやかに、自分の大切なものを発見したりしながら。

友達同士でさえ、
おたがいの立場、ちがうのも、わかっていて。

でも、その立場や気持ちを理解はしていて、必要な励ましをあたえあっている。

その感じが、とても良かった。



最近、思いがけないところで、感動してしまう。

この映画をみながら、
SATCやら、
江國香織の『思いわずらうことなく 愉しく生きよ』という小説を思い出したりした。

江國香織のあの小説も、
キラキラして少女マンガのようなのに、
えぐいこと描かれていて、
あああ~っと思ったのでした。

『きらきらひかる』で、
あんな作品書いていた女性作家も、
歳を重ねて、経験重ねると、ああいうの書くんだね~ってすごみというか。

やはりキラキラ感はあるのだけど、
人間の暗さ、重さ、えぐさとか、
妙にリアリティがあって、すごかったね。

まあ、切ない狂気めいていること書くのは、江國さんは得意なのかもね。

じつは、あの小説、
妊娠高血圧症になって、急に管理入院となり、
血圧がより異常になったら、即、緊急帝王切開だとか、
いつ産むか、産まないか、どうなるか~って、なっていたとき、
病院のローソンで、文庫で買って、読んだ。

テレビもよくないし、なにもするな、みたく言われ、
ベッドの上で、なにもすることなくて、
活字中毒患者のように、ひたすら、小説とか、エッセイとか、雑誌とか、読んでいた。

思いがけず読んで、
面白かったけど、えぐかったな~。

えぐいんだけど、
女性のリアルなもろもろが出ていて、感動したのだった。

あまり、入院という時期に読むのには、適してない作品かもな~って思いながら、
そのミスマッチがまた面白い気がして、読んでいた。




女性の友情ものが、最近、ぐっときやすい。

以前から、女性の群像劇のような、ドラマや小説は好きだったけど、
いろいろ経験して、
歳を重ねると、味わいが変わってくる気がする。
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